オリジナル小説 魔法少女まどか☆マギカ

魔法少女まどか☆マギカ 別編~再臨の物語~(第3部9話)

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再臨ロゴ2

 

赤い魂の宝珠が、黒い闇の光を放つ。
歴戦の魔法少女である佐倉杏子も、その膨大な穢れによって、遂に最期の時を迎えようとしていた。

(あたしは良くやった……だろ?)

 

「だめーー!!」

叫び声と共に、ゆう子が目を大きく見開いた。
強い赤紫色の光を纏い、魔力の放出が最大になる。
杏子を包んでいた癒しの魔法が、左指のソウルジェムに集まり、幾何学模様のような、丸い魔法陣が敷かれた。
円形の魔法陣の中で、大小ふたつの円が重なる。

――魔法は、戦うためだけに使うものじゃないんだ

ゆう子の心に、姉・天生目涼子の声が響いた。

魔法少女の穢れは、使用した魔力の対価として蓄積される。
その穢れを、グリーフシードという負の器に移し替えることで、ソウルジェムは輝きを取り戻す。
穢れを吸い取ったグリーフシードは魔女の卵となり、やがて呪いと絶望をまき散らす魔女となる。

その負の連鎖が、覆された。

赤紫色の魔法陣が、杏子のソウルジェムに重なると、黒い結晶を生み出した。
ゆう子は、魂の宝珠に蓄積された穢れを、物質化して取り出したのだった。
そこに強い魔力の波動を向け、穢れの結晶に当てる。
黒い結晶は、癒しの魔法の反作用で光の粒となって消えてしまった。

魔法の寵児と称された天生目涼子から受け継いだソウルジェムは、これまで魔法少女の誰もが成しえなかった

穢れを癒す魔法

を目覚めさせた。

「杏子ちゃん」

その優しい呼びかけに、杏子はゆっくりと目を開ける。
穢れの解放は止み、黒く濁っていたソウルジェムは美しい輝きを取り戻していた。

「一体、何が……」

杏子は、わけがわからないといった表情でゆう子を見た。
顔には血の気が戻り、唇は赤く、髪は艶やかに、生き生きとした肢体を起こす。

「何を、したんだ?」

「えへへ、暁美さんとキュゥべえが言ってたことって、これだったんだ」

「まさか、もうひとつの能力ってのは、今の……」

「うん。たぶん、私の眠っていた力って、こういうことだったんだよ」

ゆう子の実姉、天生目涼子が身に付けていたのは、魔法少女の中でも突出した癒しの能力。
そして、そのソウルジェムを受け継いだゆう子が願った希望の祈り

――杏子ちゃんと、友達でいたい

この友愛の祈りが合わさり、融合と相乗効果として生まれた魔法。
究極の癒し魔法は、消滅寸前の杏子を救う

穢れの癒し

だった。

かつて天生目涼子は、癒しの魔法で穢れを浄化できないかと考えたことがあった。
しかし、天才的な癒しの能力を持っていた涼子ですら、魔法で穢れを浄化することは遂にできなかった。

それもそのはず、魔法の力で穢れを浄化するのは、魔法少女にとっては起こりえないはずだった。

だが、魔法少女・天生目ゆう子は、存在自体がすでにその歴史を覆している。
グリーフシードを逆行させ、新たな希望の祈りで誕生したソウルジェムは、癒し魔法と友愛の力が乗算し、かけがえのない仲間を救う『穢れの癒し』を実現させた。

「なんてこった。そんなのアリか?」

杏子は本当に驚いた。
魔法少女に成りたてのヒヨッコだったゆう子は、この1日でずば抜けた戦いのセンスを発揮し、究極の癒し魔法を使って見せた。

「よかった、杏子ちゃんを助けることができて。本当にキュゥべえの言ったとおりだった」

「ソウルジェムが綺麗だ。まっさらな状態にまで浄化されてる」

赤く輝くジェムは、すべての穢れが抜けている。
この美しい輝きはいつ以来だろう、と杏子は思った。

「グリーフシードが手に入らなくなってから、こんな晴れやかな気持ちになったは久しぶりだ」

やがて魔女の結界は解かれ、辺りはいつもの見滝原の夜へと戻った。
杏子は立ち上がると

「それにしても今の魔法、お前の魔力を消費して使うモンなんだろ?」

そう言って、ゆう子の左耳に当てられたイヤリング型のソウルジェムを見た。
ジェムには穢れの影もなく、ゆう子のカラーである赤紫の光を放っていたが……それは妙に色濃く見えた。

「そうだと思うけど……」

「自分の穢れを浄化することもできるのか?」

「どうだろう……。使い方は何となくわかったけど、やってみないとわからないかな」

「いや、やめておきな。その魔法のおかげであたしは助かったけど、どうも嫌な予感がするんだ」

「どうして?」

「だって、考えてもみろよ。魔法少女は魔女を狩り、グリーフシードを手に入れて穢れを浄化するのが普通だ」

ずっと昔から続いてきた魔法少女の歴史で、すべての少女たちがそうしてきたはずだった。
穢れの癒しなんてのはきっと、キュゥべえですら見たことがないだろう。
だから、それは生まれるはずのない、生まれてはいけない能力なんじゃないか。
魔法少女と魔女との法則を乱す、禁断の力なのではないか。

と、杏子は言った。
そんな力が今になって突然この世に現れるなんて。

「だから、あたしは思ったんだ。ついさっき、きっとあたしはこれで最期だ、と感じた瞬間に気付いたんだ。魔女がいなくなり、穢れを浄化できなくなった魔法少女はさ……」

――もう、この世に必要ない、滅びゆく存在なんじゃないかって……

ふたりの間に、沈黙が流れた。

杏子は魔法少女の歴史について詳しいわけではないが、自分たちの転機が訪れたのではないか、と感じていた。
事実、穢れの溢れた魔法少女は魔女にはならず、円環の理によって安息の世界へと導かれる。
魔法少女が魔女となり、魔女は魔法少女に狩られる時代は終わっていた。

「それが今になって穢れの癒しってのは、ルール違反なんじゃないかな……ってさ」

「そんな……」

「あはは、勘違いすんなよ。ゆう子のことを責めてるわけじゃないし、いま生きてるあたしもルール違反の共犯さ。だけど、その力は世界を捻じ曲げてしまうかもしれないってこと」

「……うん」

「それに、その力はもう使う必要ないかもしれないぞ? なんと言っても、佐倉杏子と天生目ゆう子のコンビがいるんだからな」

杏子の口元に、八重歯が覗く笑顔がこぼれた。

「杏子ちゃん」

「だからさ、できるだけあたし達は頑張るんだ。あたし達が正しいと思った道を、踏み外さないように進むんだ。その先にどんな結末があっても、後悔なんてしないように、な」

「私は杏子ちゃんについていくよ」

「いや、ついていくのはあたしさ。ありがとな、ゆう子」

成長著しいゆう子と一緒に、杏子も成長している。
杏子は自分でもわかっていた。

ふたりの間にあるのは、魔法少女の絆と、命の絆と、そして希望の絆。
杏子が差し出した右手に、ゆう子が右手を重ねた。

 

続く

 

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オリジナル魔法少女まどか☆マギカ小説「再臨の物語」第2部はこちら
 


 

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