オリジナル小説 魔法少女まどか☆マギカ

魔法少女まどか☆マギカ 別編~再臨の物語~(第3部12話)

投稿日:2018年9月21日 更新日:

再臨ロゴ2

 

盾の内部に魔力が伝わり、内蔵された歯車が高速回転する、ほむらの時間停止魔法。
凌霄(りょうしょう)の魔女に対しては、その魔法の性質を見抜かれ効果がなかったが、今度はあかねと接点がない。
今この時は、ほむらだけが動ける時間領域。

「私は、再びまどかと巡り逢う。その為には……」

ほむらは自動拳銃のグロック17を構え、装弾された17発をすべて打ち放った。
停止された時の中で発射された弾丸は、銃身のすぐ先で動きを止める。
17発の弾丸と薬莢が空中で停止し、硝煙が視線の先を白く濁した。

「グリーフシードがもうひとつ必要なのよ」

盾の回転を止め、再び時間が動き出す。
すべての弾は空気を切り裂き、螺旋状に尾を引きながら、あかねに向かって飛んだ。

ほんの数メートルの距離を進む銃弾が、ゆっくりとあかねの身体を貫く。
発砲音と共に、肉体を切り裂く鈍い音がした。

「困った人。これだけ言ってもまだわからないんだ」

声が、銃撃音の反響に重なった。
身体を撃ち抜かれたはずのあかねは、何事もなかったかのように立っている。
銃弾が貫いたと思われる身体の部分に、白い波紋が広がった。

「まどかへの想いは私だけのもの。あなたにわかるはずがないわ」

ほむらは八咫の盾からM249軽機関銃を取り出すと、チャージングハンドル(弾薬を装填するときに動かす部品)を引いた。
これは、鳥かごの魔女との戦いに使用した速射型の機関銃。
重量が10キログラムにもなる大きな機関銃を、体重のバランスで支え、トリガーに指をかけた。

「彼女の因果も、絶望も、私が終わらせる」

ためらいもなく引き金を引き、機関銃の一斉射撃を浴びせた。

バララララ!

という乾いた銃撃音と共に、数十発の銃弾があかねを撃ち抜いた。

が、着弾した痕は、またしても白い波紋となって、身体の中に吸い込まていったようだった。

「絶望の魔女と、円環の理はね、等価値なんだよ」

あかねの身体に残った白い弾痕の波紋が、逆流したように外側に流れを変える。
その瞬間、ほむらはなぜかゾクっとした悪寒に襲われ、咄嗟に八咫の盾を廻して時を止めた。

再び、時が止まる。

停止したモノクロな空間の中で見えたのは、白い光を帯びた数発の銃弾が、ほむらに向かってくるところだった。

一発目は右目のすぐ前で、今まさにほむらの紫紺の目を貫こうとしていた。
他の数発もすべてほむらの身体に向かっている。
ほんの目と鼻の先で、さっきの機関銃の弾丸が、空中に停止している。

「撃たれた弾丸を、そのまま撃ち返している……!」

今ここで時を止めなければ、気付かぬうちにほむらは撃ち抜かれていた。
そして弾丸を白く光らせているのは、よく見ると魔力の膜だった。

「これが、螺良あかねの魔法?」

ほむらは魔力を光を帯びた弾に目線を合わせ、

「さっきキュゥべえを撃ったのも、これと同じ? でもあの威力は……」

それから視線の奥にあかねの姿を追うと、そこにはもう誰もいない。

(え?)

時間操作の魔法は、まだ解かれていない。
八咫の盾は歯車を廻し、ほむらの魔力は時間を支配している。
撃ち返された弾丸は宙に浮いているし、部屋の中は色彩を欠いたモノクロな空間だった。

『だから、鹿目まどかを解き放つということは、円環の理を消滅させることになるの』

どこからともなく、あかねの声がテレパシーで伝わってきた。

『円環の理は、魔法少女の時代に終焉を告げるために、彼女の願いで生まれた。もう誰も魔女にならない、もう誰も絶望に負けない世界の創造神』

「なぜそんなことがわかるの?」

『見ていたからだよ。ワタシは見ていたの。あなたの繰り返した時間遡行も、鹿目まどかの契約も、宇宙再編の出来事も、すべて』

「そんなはずはないわ。だってあれは……」

『ワタシも、時間を操る魔法を持っているんだよ』

螺良あかねの願いは、すべての悲しみを忘れること。
悲しみを忘れ、絶望を忘れ、痛みを忘れ、穢れに満ちた自分を忘れる。
過去を忘れ、現在(いま)を忘れ、未来を忘れ、時間という概念すら忘れる。
だから時の流れも、あかねにとっては無いに等しい制約だった。
真っ白で無垢な魔力は、無限に染まる、無限の白。

すべてが自由自在。

それが、あかねの能力だった。

『たとえば今、この停止した時間を動かしたらどうなると思う?』

ほむらは目の前に浮いている弾丸を見てハッとした。
八咫の盾に魔力を伝え、時間停止が発動しているのはほむらの魔法。
しかし、その中で言葉を交わしているあかねには、時間停止の魔法が作用していない。

まさか、停止した時間を強制的に動かすなんてことが……

ほむらは慌てて八咫の盾に顔をうずめ、銃弾から身を躱そうとした。
まるで、待っていましたと言わんばかりに時は動き出し、白い魔力を帯びた弾丸は風切り音を立てて走り出す。

バリバリーン!

と、ガラスを割るような音が、響いた。
飛び退いて起き上がったほむらの左腕、八咫の盾が半分に砕けて割れている。
そして、数発の銃弾が砕いたのは、ほむらの盾だけではなく、部屋の壁も粉々にしていた。
およそ機関銃の威力とは思えない銃弾が砕いた壁の外には、見滝原の街ではなく、無数の星屑が輝く空間が広がっていた。

ほむらの額を、一筋の血が流れた。
八咫の盾を貫通した弾丸が、頭を掠めたようだった。

『時間魔法は、あなただけのものではないんだよ』

ほむらの部屋の外に広がる星の夜空、それはまるで宇宙空間のようだった。
その空間に向かって、部屋の壁、天井、ディスプレイモニタ、ソファやテーブルが、次々と剥ぎ取られていく。
遂にほむらの部屋は、床だけを残し、宇宙に浮かぶ1枚の足場のようになった。
数千、数万と光る星空の中に、白く浮かぶ螺良あかねがいた。

「これは……結界?」

『そう。ここは円環の理を臨む、絶望の魔女の結界。魔法少女たちに口伝される、安息の地への入り口。涅槃(ねはん)と言って、当たらずとも遠からずってところかな』

「なぜそんな世界がここに……」

『空間転移だよ。ワタシの魔法で、あなたの部屋ごと移動してきたの』

「空間転移? そんな、時間どころか時空まで飛び越える魔法なんて……」

『見て、あの星屑たちを。あのひとつひとつが、浄化された魔法少女たちの姿なんだよ』

無数の星は、よく見ると様々な色で輝いていた。
赤色、青色、黄色、水色、紫色、緑色、緋色、灰色……
数多の魔法少女が円環の理によって救済され、絶望の因果を断ち切り、星となって宇宙(そら)を埋め尽くしていた。

『こちら側の世界からは、目には見えるけど手は届かない。救済された魔法少女たちの輝きは、円環の理を照らす彼岸の光』

「浄化された魔法少女が、星になっている?」

『綺麗でしょ。命が尽きても輝いているなんて、まさに奇跡と呼ぶに相応しいと思わない?』

「あなたの話、見えてこないわ」

円環の理と、絶望の魔女の真理を説き、彼岸の光が輝く涅槃へといざなったあかねが何を考えているのか……ほむらにはわからなかった。
絶望のサイクルを終わらせる、そう言っていたあかねは、何をしようとしているのか。

『そろそろ気付いてくれると思ったんだけど……』

真っ白な光に包まれたあかねは、宙に浮いたままほむらを見下ろして、言葉を続けた。

『あの星たちは、魔法少女の抜け殻みたいなもの。穢れのない魂が眠るソウルジェムなんだよ。ワタシは、あの無数のソウルジェムに命を吹き込み、この世に呼び戻す。生命は肉体を構成し、元の魔法少女として甦るの。そして甦った魔法少女たちは、何を思うかわかる?』

「いい迷惑でしょうね」

『うふふ……皆はきっと、こう思うんだよ』

――こんな運命を背負わせた者を、滅ぼしてやろう、と。

 

続く

 

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