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【オリジナル小説】魔法少女まどか☆マギカ[別編]~再臨の物語~(第1部4話)

投稿日:2017年11月7日 更新日:

 

 

ほむらのやつ、どういうつもりなんだ。

グリーフシードの転生? ゆう子が関係してるって?

曖昧な言葉を残して去ったほむらの意図はさっぱり分からないが、杏子の思うところはひとつだった。

(そんな話を聞いて、あたしが黙ってるわけないだろっての)

詳しい状況は理解できなくても、ゆう子の身に何かが起ころうとしていることだけは確かだ。

ゆう子と
魔女の意思と
グリーフシードの転生

さっきの話だと、やはりこの近くに魔女の意思を宿すグリーフシードがあるのに間違いない。

ならば、転生とやらが起こる前にグリーフシードを見つけ、それを阻止すればいい。

ほむらの狙いが何なのかは分からないが、ゆう子の身が危険に晒されるのを黙って見ているわけにはいかない。

杏子の考えは安直だが、実直だった。

「おいマミ、聞こえてるだろ? あたしはゆう子を守るからな。ほむらの言ってたことはよくわからないけど、その辺はマミとキュゥべえで考えてみてくれよな」

見滝原の空へ向かって杏子は言った。

 

翌朝、ゆう子が学校へ向かおうと家を出てきたところに杏子が

「よお」

と声を掛けた。

「佐倉さん!? どうしたの?」

ゆう子は家の前にいた杏子の姿に驚き、思わず「あっ」と口を開けて立ち止まった。

驚くのも無理はない。

昨夜あの十字路で別れてからてっきり帰ったものだと思っていたし、まさか早朝から自分の家の前にいるとは考えない。

「実は、あたしが探している物をゆう子が知ってるかもしれないと思ってさ」

「探している物?」

「そう。 あ、学校に行くんだろ? 話しながら一緒に行ってもいいかな?」

「いいけど、佐倉さん学校は?」

「杏子でいいよ。 あたしの学校は……今日は休みなんだ」

下手な嘘だがゆう子は疑う理由もないので、二人は学校に向かい歩き出した。

杏子はまず、ゆう子がグリーフシードを持っているのではないかと考えた。ほむらが言った「あの子のそばには魔女がいる」という言葉からして、それが一番可能性が高いはずだ。

「なあ、ゆう子。 黒っぽくて卵みたいな大きさの、先の尖ったシンボルみたいなの持ってたりしないかな」

杏子はジェスチャーを交えながらグリーフシードの特徴を伝えるが

「う~ん、そういうのは持ってないかな。 あれ? でも……」

何か思い出すように考えるが

「やっぱりわからないや。 あの、杏子ちゃんが探してるものってそのことなの?」

「そうなんだけど、ゆう子が知らないならいいんだ。もし見かけたら、すぐに教えてくれないかい」

「うん、わかった」

魔法少女ではない普通の女子中学生にグリーフシードは見えないはずだから、ゆう子の答えは当然といえば当然だった。

そこからふたりは他愛もない話をしながら歩き、学校の前まで来ると

「じゃ、あたしは他に行く所があるから。また夕方、ここで待っててもいいかい?」

「いいけど私、今日も部活があるから6時くらいになっちゃうよ」

「わかった、そのくらいにここにいるよ」

と言って杏子は学校を通り過ぎると、周囲に誰もいないのを確認してから一瞬で魔法少女へと姿を変え、学校の屋上へと飛び乗った。

ゆう子の近くで見張るためだ。

屋上の、誰も来ないであろう場所を見つけるとソウルジェムを見つめ

(ここにいれば、ゆう子に何かあってもソウルジェムが反応するだろう)

その場にゴロリと横になった。

ソウルジェムは相変わらず薄い光を放ちながら、しかし魔女の結界の方向を示そうとはしない。

この町に来てからずっと同じような光り方をしているから、まるで町全体が弱い結界に包まれているような感じがする。

(ふあ~あ……昨日はあの後、夜通し歩き回ったからな。 ここで少し休もう)

昨夜はほむらが去ってから、ソウルジェムを使ってゆう子の家の周辺をくまなく探し歩いていた。

しかし、ゆう子の家の周りには強い反応が出なかったので、やはりゆう子がグリーフシードを持っているのではないかと思ったが、それもまた違った。

孵化していない魔女の意思、それは果たしてソウルジェムを使って見つけることができるものなのか。

疲れと眠気で、杏子はソウルジェムを握りしめたまま眠ってしまった。

 

続く

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