オリジナル小説 魔法少女まどか☆マギカ

【まどマギ小説】魔法少女まどか☆マギカ 別編~再臨の物語~(2-3)

投稿日:2018年1月9日 更新日:

再臨ロゴ2

 

ほむらの話は衝撃的だった。マミたちの他に生き残っている魔法少女がいて、ほむらの目の前で円環の理によって消滅し、グリーフシードまで手に入れることができた。さらに驚いたのは、その魔法少女の名前が、天生目涼子……ゆう子……お姉ちゃん。

「ほむら、まさかその魔法少女って……」

「ええ、天生目ゆう子のお姉さんね」

杏子は「どうして」と言いたげに顔を強張らせる。天生目涼子の持っていたソウルジェムが妹のゆう子の手に渡るなんて、そんな運命があるのか。それにゆう子に姉がいたことも知らなかった。そんな杏子を見て、マミは言葉を付け足した。

「だからゆう子ちゃんにソウルジェムを託したのね。でも、よくゆう子ちゃんを見つけられたわね。円環の理によって消滅した者は、普通の人間の記憶には残らないんでしょ? 家族に聞いてもわからないはずなのに」

「そうか、だからゆう子はお姉さんがいたことを覚えてないのか」

魔法少女は命を落とすと、周囲の人間の記憶から消えてしまう。ただし、ほむらたち魔法少女は人間としての記憶と魔法少女としての記憶の2つを合わせ持っているので、美樹さやかや天生目涼子が存在していたことを忘れることはない。もし天生目涼子が人間としてその生を全うしていたなら、妹であるゆう子の記憶にも残るが、魔法少女として消滅したことでこの世の存在から除外されてしまうのだった。

「天生目ゆう子を見つけるのは難しくはなかったわ。珍しい苗字だったし、ソウルジェムに残る記憶を少しだけ見させてもらったから」

ほむらは時間操作の魔法を使って、天生目涼子の記憶を辿っていた。彼女はずっと六千石町で家族と暮らしていたが、高校進学を機に県外で寮生活を送っていた。いつから魔法少女になったのかはわからないが、六千石町にいた頃にキュゥべえと契約を交わして魔女との戦いに身を置いていた。もちろん魔法少女だったことは誰にも話していないのだろうが、その形見であるソウルジェムは妹であるゆう子に託された。

「ゆう子ちゃんにソウルジェムを託したのは偶然じゃなくて、お姉さんの意思を残してあげたのね」

マミが思ったとおり、ほむらは心の荒んだ魔法少女ではなかった。ゆう子の身体を媒体としグリーフシードの転生などという危険なことをしてはいたが、それはほむらなりに考えた天生目涼子への敬意の表れだったのかと思うと、なんだかとても嬉しかった。

だがほむらは難しい顔をして

「私は良いことをしたとは思っていないわ。それよりも、これで在処のわかっているグリーフシードはあとひとつしか残っていないのよ。これがどういうことかわかる?」

「どういうことって、あとひとつグリーフシードを見つければいいだけだろ?」

杏子が即答する。

「相変わらず安直ね。あなたのソウルジェムを見せてみなさい」

言われて杏子が淡く発光するソウルジェムをひょいと投げ渡すと、ほむらはそれをふたりに見えるように掲げ

「見なさい、昨日の戦いで穢れが増しているわ。これをどうやって浄化するつもりなの? グリーフシードが無ければ私たちはそのうち滅びゆく存在なのよ」

杏子のソウルジェムには黒い濁りがゆらゆらと混じっていた。それはマミやほむらのソウルジェムも同じで、まだ溢れるとまではいかないが蓄積されていく穢れは減らしようがない。そして昨日の魔獣との戦いでほむらが放ったあの光の矢を「一度だけなら」と言った理由もそれだった。これ以上 強い魔力を使えばほむらも危ない。

「そんなこと言ったって魔女は出てこないんだし、無いものは仕方ないだろ。あとひとつが見つかっても、穢れを吸えるかわからないんだから」

「楽観的ね」

ほむらは呆れたように杏子のソウルジェムを返す。マミもそれは承知だが、杏子と同じく無いものは仕方ないと思っていた。

「暁美さんはその為にグリーフシードを探していたの?」

「そうね。私はこのまま指を咥えて消滅を待つなんて御免だわ。こんな運命だからこそ抗ってみせる。私は魔女にもならず、消滅もせず、円環の理さえも覆してみせる。その為にはグリーフシードが必要なのよ」

ずいぶんと強気な発言をするほむらだが、いつもの抽象的な言い方にマミと杏子はいまいちピンとこない。

「だから、グリーフシードを手に入れて今度は何をしようってんだよ」

杏子が少し苛立つが、マミがそれを制して

「まあまあ。とにかく、あとひとつのグリーフシードを見つけましょう。話はそれからね。今日は手がかりゼロだったけど、どこかにあるはずだし。明日は週末だから、ゆう子ちゃんにも手伝ってもらえるか聞いてみましょう。私が連絡しておくから」

と言ってこの日は散会した。杏子も楽観的なことを言っているが、危機感はあった。ゆう子の姉が穢れの蓄積によって消滅していたことは少なからずショックだったし、明日は我が身なのも頭ではわかっている。杏子がいつも強気な発言が多いのは、自分の弱さや脆さをわかっているからだった。

 

続く

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