オリジナル小説 魔法少女まどか☆マギカ

魔法少女まどか☆マギカ 別編~再臨の物語~(2-5)

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前回のお話はこちら魔法少女まどか☆マギカ 別編~再臨の物語~(2-4)

 

【聖大橋】と書かれた大きな橋を通り過ぎ、川沿いの歩道から住宅地の方に分岐する道を下りていく。マミの手にあるソウルジェムは変わらず淡い発光を続けているだけで、今日も探知機としての機能を発揮できないでいた。

(やっぱり使い魔や魔女の結界がすぐそばに現れないと反応しないのかも)

それはつまり、まだ街の人々には影響が出ていないわけだが、この広い見滝原市内をソウルジェムの反応無しに探すのは骨が折れる。

住宅街を抜け、並木の連なる遊歩道を過ぎると、大きな高架道路に出た。高架下をくぐるとその先は高いビル群が立ち並ぶオフィス街になっている。オフィス街といっても所々に人工の緑地が敷いてあり、中には公園のようにひと休みできる場所もあるので、2時間以上も歩き続けてきたマミはここで少し休んでいくことにした。

人工の水場とベンチがいくつかあるだけの簡素な公園で、ちょうど昼時で天気も良いから、昼食を摂る人たちが利用している。公園の中央にある水場を囲むように6つのベンチがぐるりと置かれていて、そこにはサラリーマン風の男性、作業着を着た2人組、スーツ姿の女性、そして小さな少女がそれぞれ座っていた。

マミは空いているベンチに腰掛け、ふうっとため息を吐いた。ひと休みした後は街の中心部へ向かい、そのまま水上公園に戻るつもりだった。

(佐倉さんは上手くやっているかしら)

雲ひとつない青空を眺めながら杏子たちのことを気にかけていると、マミの横に少女がちょこんと座ってきた。さっきまで隣のベンチにひとりで座っていた、5歳か6歳くらいの可愛らしい少女だった。もしかして他の利用者が子供を連れてきているのかと思い周囲を見回すが、誰もその少女がマミの隣に座ってきたことを気にしている様子はない。休日の昼にこんなオフィス街の公園に小さな子供がひとりでいるので、もしかしたら家族とはぐれて困っているのかと思い

「こんにちは。何かご用かしら?」

と優しく話しかけた。

「誰かと一緒に来ているの? はぐれちゃったのかな?」

今度は首をかしげて、少女の顔を覗きこみながら尋ねた。少女はマミの手をじっと見つめて

「それキレイだね」

と指を差した。その少女が指差すのは、マミが両手で抱えているソウルジェムだった。

「え? これが、見えるの?」

一瞬この子も魔法少女なのかと考えたが、こんなに幼い魔法少女がいるはずがない。それに今は、天生目ゆう子のようなイレギュラーがない限りキュゥべえも新しく契約をするはずがないし、何よりも普通の人間にはソウルジェムは見えないはずなのだが……。

「うん、見えるよ。前にも見たことあるもん」

違う魔法少女の物か、他にも見たことがあるという。

「前にもって、いつかな? どこで見たことあるの?」

「え~っとね、もう忘れちゃった」

まだ地に付かない足をブラブラ揺らしながら、幼い笑顔を浮かべる少女は不思議なことを言う。自分で持っているわけではなく「見たことがある」ということは、やはりこの子自身は魔法少女ではないのだろう。

(もしかして、魔法少女の素質がある子なのかしら)

だとしたらソウルジェムを見ることができるのかもしれないが、こんな小さな少女がすでに魔法少女の素質を備えているのは変だな、とも思った。もともと魔法少女は「第二次性徴期」と呼ばれる、10歳から15歳くらいまでのいわゆる思春期の少女のごく一部に現れる素質で、まだ5・6歳ほどにしか見えないこの少女に備わるものではないはずだった。ただ、そんな話をこの少女にしても無駄だとわかっているので、マミはそっとソウルジェムをしまい

「ところであなた、ひとりなの? もしかして迷子かな?」

と、少女がひとりでいることを心配して訊いてみた。ここは小さな子供が遊ぶような公園ではないし、周りに保護者らしき人も見当たらない。

「わたし迷子じゃないよ。くるみだよ」

「くるみ?」

「うん、くるみ。つぶら くるみっていうんだよ」

幼い少女は自分の名前を名乗ったようだ。

「そっか、くるみちゃんていうのね。くるみちゃん歳はいくつ?」

「6歳だよ」

このくらいの小さな子供はまだ会話運びが上手くないだろうから、そこはマミも考慮して話のペースを合わせる。

「あら、きちんと言えて偉いわね。じゃあ くるみちゃん、お父さんとお母さんは?」

「お父さんとお母さんはいないよ」

「いない?」

マミは言葉を詰まらせた。もしかして両親を亡くしているのだろうか。

「でも、お姉ちゃんはいるよ」

聞くと、両親はなく姉とふたりで暮らしていると言う。マミはそれ以上家族の話題は避け

「じゃあ、お姉ちゃんのところに帰ろうか。ここは小さい子がひとりで遊ぶ場所じゃないのよ」

と言って立ち上がった。小さな子をこんなオフィス街の真ん中で放っておくわけにもいかないし、ひとりで帰らせるのも不安なので、マミは手を差し出し少女を家まで送り届けようとした。少女も人懐こく

「うん、一緒に帰る」

とマミの手を握りベンチからピョンと飛び降りた。

グリーフシードを探しているマミが出会った、ソウルジェムが見える不思議な少女、つぶら くるみ。
マミは特に疑うこともなく、少女の手を引き公園を後にした。

 

続く

 

次回のお話はこちら魔法少女まどか☆マギカ 別編~再臨の物語~(2-6)

 

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